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High-Spirit's Blog
有機合成研究室の日記 → ある化学メーカーの研究者の日記。
発ガン性って騒いでますけど…
最近話題になっている、飲料に含まれている発がん性物質のベンゼン。

高校で化学を学んだ人ならその構造はわかると思います。 ケクレ構造ってやつね。

まぁオレは大学で有機化学を専攻しているし、

毎日実験で使っている物質なのでイヤでもわかりますが…。


でだ、飲料に含まれているという問題。

普通に考えたらこんな危ないものが混入するわけないんだけど、

保存料に使われている安息香酸が、酸化防止剤のアスコルビン酸(ビタミンCですね)

と反応してベンゼンが生成しているらしいのです。


こう言われると、なんか成分表示でこの二つがあると飲みたくなくなるけどね、

ベンゼンなんてタバコの煙やガソリンの中にかなり入ってます。

それに工場からかなりの量が大気中に排出されているので、そこらじゅうにたくさん。

そのへんの詳細はこちら


これ見ると

白血病を引き起こす十分な証拠がある

とか恐ろしいことが書いてある…。

じゃ毎日実験で使っているオレはかなり危ないじゃんか!

まぁ有機化学の研究室に入ったことで長生きすることは諦めましたが。


それにしても、世の中には人間への影響がわからない物質がたくさんありすぎです。

有機溶媒を使っている人の子供は女の子が多いってのもなんか関係してるのかなぁ。
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講演会
近場に有名な先生が来て講演会をするというので、ちと行ってきました。

…って書くと自発的に行ったみたいだけど、研究室の圧力に負けたんですね…。



でも、来た先生がスゴイ人だったんですよ!!


なんと、


あの、


向山先生


ですからね。






あれ?誰だかわからないって。


まぁそうでしょうね。


うちの研究室みたいに有機化学に携わる人しかわからないでしょうね。




いや、でもホントにスゴイんだって!





だって、

タキソールの全合成に成功

したり、

向山アルドール反応を発見

したりと、まぁ素晴らしい方なのです。




なんつーんですか、有機化学の面白さを再確認できたってゆーんですかね。




と、真面目に書いてみました。
ふと考えた
生物化学の授業で窒素固定について学んだ。

大気中の窒素を微生物によってアンモニアに変換して、それをアミノ酸の形で体内に取り込む。

そして、その窒素分は体内でDNAの構成要素である塩基やホルモンなどに変換される。

そのため、大気中の窒素をアンモニアに変換する(窒素固定)ことは生物にとって重要なことである。


という流れである。


そのため、アンモニア化合物は植物の肥料として重要なのである。



そこで、高校で化学を学んだ人は聞いたことがあると思うが、

ハーバー・ボッシュ法という反応でアンモニアは大量に生産できるようになった。

この革命によって、食物が大量に生産できるようになり、現在に至る爆発的な人口増加が起こった。





と、このような流れではハーバーさんとボッシュさんは素晴らしい人だったと思うだろうが、

実際は違う目的でこの研究をしていたのである。





それは、

火薬の大量生産

である。







当時火薬と言えば、ダイナマイト。

その原料はTNT(トリニトロトルエン)。

トルエンにニトロ基が3つついた物。






これを作るには、大量の硝酸が必要。

硝酸を作るにはアンモニアが必要。




ということで、アンモニア合成を研究していたのである。




結局、化学と言うのは戦争が起こるたびに急速に発展していて、

化学と戦争は切っても切れない関係にある。



ということをボーっと一人で考えてました。

これからの時代は平和のために化学が進歩しなければならないんだなぁ~と。


だから、塾で化学を教えていたときも、

ただ暗記するだけじゃなくて、こういうことを考えて欲しいと教えていたつもりです。

うまく伝わっていたかどうかはわからないけど…。







って、今はそんなことを考えるよりも、実験レポを完成させないとならないんですよね…。マジ時間足りないし。

って、そんな教育プログラムだからストレスがたまって

化学を悪に利用するような

人間が育ってしまうんだよ!!


と言いたかっただけです。
タミフル
今、全世界で争奪戦を繰り広げているインフルエンザ治療薬タミフル。
タミフル
↑構造式。詳しくはこちら



世界中が国家体制で躍起になってかき集めるだけあって

かなり効くそうです。






でも、よくよく調べてみると、

ウイルスが増殖するときに必要な

酵素を阻害するだけ



であって、


ウイルスを殺すわけではない

んですって。







このことを知っている人は果たしてどのくらいいるのでしょう?








販売価格の10倍のお金まで出して買う価値のあるものとは思いませんけど。



だって、全世界で使われようとしているんですよ。


どっかの国で異常な量を使ってしまい、

タミフル耐性のウイルスが出てくるのは

容易に想像できる。







そんなことになったら、せっかく高いお金出して買った薬も

ただの粉。

ですよ。




だったら、消毒とか手洗いうがいに心がけたほうがよっぽど安上がりだし、

効き目もありそうですわ。








まぁでもこの効果はインフルエンザウイルスに対しては初めての薬だから、

あれだけ話題を呼んでいるんでしょうね。

薬学の進歩はすばらしいです。
元素占い
元素占いなるものがあるというのでやってみた。

生年月日を入力するだけの簡単なものです。





で、オレの結果は…



61 Pm プロメチウム

でした。






ということで、プロメチウムについて調べてみた。

・ランタノイドに属するfブロック元素

・同位体すべてが放射性

・しかも最も半減期の長いものでも17.7年

・主な生成ルートはウランからの核分裂

・それでも地球上に780g程度しか存在しない

・古代ギリシャの火の神「プロメテウス」にちなんだ名前

だとさ。なんとも微妙な…。






と、この元素占いには

相性の良い異性の元素

が書いてあった。




オレの場合、


N 窒素、Na ナトリウム、Mn マンガン、

Rh ロジウム、Dy ジスプロシウム


だそうです。


自分↑の元素だったよ~っていう女性の方、

ご連絡をお待ちしています。





しかも、

明日(11/5)あなたを助けてくれるのは、Mn マンガン

だそうです。




てことはですよ、

明日、自分はマンガンだっていう女性に会ったら


運命の出会い


じゃないですか!! ヤバイ、きんちょーしてきた。






じゃ~明日は外出してできるだけ多くの人がいるとこに行かなくちゃ。



てことで、大学祭に行きますかね。 (←話の展開が強引すぎるのは気にしない)

サークルの後輩が企画を行うことですし。
Tl
今日起きた、この事件

女子高生が母親を毒殺しようとして逮捕されたそうです。


なんとも恐ろしい世の中のことで。




しかも、

自殺未遂したのに容疑は否認

してるんだって。






で、その毒殺の方法なんだけど、

タリウム化合物 (たぶんTl2SO4

を使うという、珍しい方法。




普通毒殺って言っちゃ、

カレー事件で有名になったヒ素(As)

とか、

青酸カリ(KCN)

とかが普通使われるのに、


タリウム化合物


とは、なんともマニアックな…。





まぁ、このタリウム化合物は殺鼠剤として市販されているから高校生でも手に入ったんでしょうけど。





で、このタリウム化合物(体内ではTl+1)がどんな毒性を示すのかと言うと、


カリウムイオンと似たイオン半径なので、

カリウムイオンチャンネルを通して細胞内に取り込まれ、

カリウムイオンが関与する体内反応を阻害する。


とのこと。 (元素111の新知識 桜井弘著 講談社より)




まぁ有名なところでは、ナトリウムーカリウムATPアーゼでしょうかね。



それにしても、こんな毒物が市販されているとは怖いですね。
ちょっと自己紹介
自分、↓こちらで少し賢いところを見せてしまいましたね。

てか、なんでいきなり有機化合物の話をしたのかというと、

大学で化学を専攻しているからなんです。

世の中の人間は、工学部の化学学科の人を
物理ができなかったから化学に逃げたんだろ?
とか言うけど、オレは違う!(確かにあまりできなかったけど…)


だって、






化学が大好きだから



化学を愛しているから



化学たん萌え~だから

化学学科に進んだのであります。


ということで、これから今までの復習をしたいと思います。











…ウソです。スイマセン。
ナノキッド
プロフィールの画像のこれ↓
ballet.gif
↑一応バレエダンサーらしい…

コイツただの棒人間じゃなくて

実は有機化合物なんです。緑色が炭素原子、赤色が酸素原子)

外国の教授たちがかなりの研究費をかけて合成したものなのに、

コイツは特に優れた性質や使い道のない、つまりは役立たずなんだって。

なんとも、小さい子たちに化学の面白さを知ってもらいたいがために作っただけとのこと…。



わかりやすくコイツの仲間を構造式で書くと、
ナノキッド
↑ナノ世界の人々

ってなって、酸素原子の“O”が目に見えるというわけ。

うん、これなら子供も喜びそうだ。



でも、化学を勉強するにつれてこういった“亀の甲”とか出てきて化学が嫌いになっていくんだろう。

なんで、わかりやすく分子模型で表してみた。





ナノキッド2
↑ナノ世界の人々





・・・キモッ!!

これは子供が泣くわ…。


子:うわぁ~ん、夢の中で気持ち悪い人間に追いかけられたよ~(泣
母:きっとナノキッドの仕業だわ。これ以上化学を勉強しなければ、もう出てこないからね。
子:うんっ♪わかった。もう化学なんて勉強しないよ。


…ってなるのは明らか。(←ウソ)



さらに、コイツらの頭は取替えが容易で
ナノキッド頭
↑個性的な仲間たち

こんなバリエーションがあるそうです。

そんなナノキッズが気になった人はこちらまで。